【曲名】"A Fistful of Dollars"/ 「荒野の用心棒」【1964年】
【アーティスト】Ennio Morricone/エンニオ・モリコーネ
【収録アルバム】サウンドトラック「荒野の用心棒」【1964年】
サウンドトラックの歴史上、最大の事件はこの作品でのエンニオ・モリコーネの登場。イタリア製西部劇、マカロニ・ウエスタン【アメリカではスパゲッティ・ウエスタン】は、そのニックネームからも解るように、当初は軽蔑の意味を含んでいました。これはインチキではないかと。偽物西部劇ではないかと。
たしかに、マカロニ・ウエスタンには細かな設定や登場人物たちの言動など、不可解な部分は多々あります。しかし、マカロニ・ウエスタンをインチキ臭いからといって無視できない理由が2つあります。ひとつめは、映画自体が面白い点。映画は面白ければ、多少おかしな点があってもいいのではないか。
そして、ふたつめはモリコーネのサントラ。今作の登場までモリコーネは世界的には無名の存在。そして、このサントラは西部劇風ではあるもののやはりインチキ臭さと生粋のアメリカ音楽ではない「いかがわしさ」を持ち合わせていました。まがい物感とでも言えば良いのでしょうか。
ただこの点も内容と同じく、聴いて良いと思えればクリアされてしまいます。とにかくモリコーネの作る音楽は、それまでの誰の音楽とも似ておらず、聴いたことのない不思議な魅力が満載。これほどのオリジナリティを持つ作曲はモリコーネ以外にいるでしょうか。
クリント・イーストウッドは、ハリウッドで鳴かず飛ばずの日々を過ごし、TV西部劇「ロー・ハイド」で名前が知れた程度。監督のセルジオ・レオーネは世界的には無名。モリコーネも同様。その3人が奇跡的に出会い、そして生まれたのがこの作品でした。
ウィキペディア:エンニオ・モリコーネの項
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