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2012/04/21

Jazz【051】Oscar Peterson "Hymn To Freedom"/オスカー・ピーターソン 「自由への賛歌」【1962】

【曲名】"Hymn To Freedom"/「自由への賛歌」【1962年】
【アーティスト】Oscar Peterson/オスカー・ピーターソン
【収録アルバム】"Night Train"/「ナイト・トレイン」【1962年】

明るく楽しいジャズを生涯に渡って追究したオスカー・ピーターソン。オスカーは、誰がなんと言おうとスーパースター・ピアニストで、ジャズ・ファンのアイドル的存在でした。

そんなオスカーが、1962年に発表した人気作「ナイト・トレイン」。この「自由への賛歌」を収録したアルバムです。この曲は、マーティン・ルーサー・キング牧師らによって当時アメリカで起きていた黒人の権利獲得運動【=公民権運動/Civil Rights Movement/参照:米国版ウィキペディア】にオスカーが賛同を示し、捧げられた曲でした。

ニコニコした笑顔で明るく楽しいジャズを演奏する印象が強いオスカーと重い政治的メッセージは不釣り合いのようにも思えます。しかし、オスカー自身はカナダ人ですが、アメリカで進行中だった黒人の権利獲得運動への確かな支持をこの曲に込めたと考えるべきでしょう。彼はピアニスト。言葉ではなく”旋律”に想いを託したということに。

今回紹介するのはスタジオ・レコーディング版ではなく、1964年デンマークでのライヴ版。曲調は、ジャズというよりもゴスペル調。それも静かに始まり徐々に盛り上げていきます。ピークは5:00頃から。終盤に恐るべき陶酔感/グルーヴ感に満たされる瞬間がやってきます。

歌詞のない”旋律”のみにも関わらず、たしかにオスカーの”熱い”想いが伝わってくる気がします。



そしてもう1本別のライヴ版を。

オスカーは、1993年に脳梗塞の発作で倒れます。以降、体が不自由になりピアノを弾くことも難しくなってしまいます。しかし、彼は懸命のリハビリを積み、かつてほどではないにせよピアニストとしてカンバックを果たします。

以下の映像は2004年モントリオール・ジャズ・フェスティバルで、盟友オリヴァー・ジョーンズとピアノ・デュオ形式で演奏した「自由への賛歌」。この時、オスカーは79歳。病気の後遺症、そして老齢による肉体の衰えもあったのでしょう。かつての華麗なスター・ピアニストの面影はありません。弱々しく映る表情に胸が締め付けられる想いです。

が、素晴らしい演奏。心に響きます。オスカーはやはりオスカーでした。



この演奏から3年後、2007年12月23日、オスカー・ピーターソンは82歳の生涯を閉じることになります。

ウィキペディア:オスカー・ピーターソンの項
関連記事:Jazz【033】Oscar Peterson "Corcovado"/オスカー・ピーターソン 「コルコヴァード」【1964】

2 件のコメント :

  1. たまたまNight Trainのアルバムを聴いていて、思わずタイトルを確認してしまいました。素晴らしい曲ですね!心に沁みて来ます。

    検索していたらこちらにたどり着きました。
    もともとジャズも好きで時々聴いていましたが、近ごろ歳のせいか、ゆったりとしたジャズに魅かれるようになりました。
    今の自分の感性にピタッと嵌った素晴らしい1曲でした。
    またこちらにも寄らせていただきます。

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  2. スーさんさま。
    はじめまして。コメントありがとうございます。

    本当に名曲ですね。心の底より、そう思えます。

    オスカーはあまり自作曲を発表するタイプではなく、良く知られたスタンダード曲をオスカー独自のスタイルで演奏することで評価されているピアニストですので、「自由への賛歌」は例外中の例外ということになるでしょうか。

    私は若いころよりジャズをメインに聴いておりますが、若いころはトランペット/サックスがメインのものを好んで選んでいましたが、中年を意識する頃からピアノ・トリオ作品ばかり聴くようになりました。

    不思議なものです。




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